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サンル川のダム計画

 

サクラマスとカワシンジュガイの楽園、サンル川。その川に危機が迫っています。川幅5mにも満たない川ですが、洪水を調整するためのダム建設が計画されています。1966年から計画されてきたダムは、目的を何度も変え、2014年より本体着工が始まろうとしています。

サンルダムとは?

サンルダムは、洪水調整、流水の正常な機能の維持、水道用水、発電と複数の目的をあわせ持つ多目的ダムで、天塩川水系名寄川の支流であるサンル川に建設が予定されています。

位置;下川町北町地先

ダム形状;コンクリートダム(台形CSGダム)

堤高;約46m

堤頂長約;350m

堤体積約;495千m3

建設費;598億円

建設の目的は?

基本的な目的は名寄川の治水です。サンル川は名寄川に流入します。サンルダムを造り名寄川への流入量を減らすことで、名寄川の氾濫による名寄市の水害を防ぐこと、ですが、名寄川は戦後一度も氾濫したことがありません。また最大の流量は1,150m3/秒(1973年)に対し、1,500m3/秒を目標流量を過大想定した治水計画ですが、様々な委員会もダムありき論で進み一向に見直しされません。(写真は旭川開発建設部より)

大丈夫?
サクラマス対策

サクラマスの遡上対策は
1) 堤体下からダムサイトまでの高さ29mに約90段の階段魚道を作る
2) ダムサイトから長さ約7kmバイパス魚道(幅4m、深さ1.2mの逆三角形の水路)をダム上流のサンル川と接続する。
こうした大型魚道は、サクラマスに対応した階段式の二風谷ダム(日高沙流川)やバイパス水路式の美利河ダム(後志利別川)で試みられていますが、遡上・産卵環境が保たれておらずうまくいっていません。
他にも、稚魚や幼魚が多く生育/越冬環境など議題は山積みです。

魚道が機能しなければ
サンルダムは造るべからず

天塩川河川整備計画には、サクラマスへの影響は最小限にとどめる、とあります。
たとえ一つの世代にとっては小さな影響に見えても、世代を重ねるうちに大きく減少してしまうことも考えられます。また、想定されていない影響が表れる可能性もあるのではないでしょうか?
サンルダムを造るのであれば、まず計画している魚道を実際に作った上で、サクラマスの再生産がきちんとなされるかどうかを調査し、サクラマスへの影響が最小限にとどめられるのかどうかを明らかにすべきです。

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